上でも紹介した、阪神対大洋の試合での一言です。このとき、試合は5時間を超える長丁場となりました。試合は兵庫県にある甲子園で行われていましたが、あまりに長かったため近くを通る阪神電車の最終電車の時刻を伝えるアナウンスが流れたのです。それを聞いての一言でした。ちなみに加古川は、甲子園から電車で1時間ほどかかる距離にあります。
福本豊の解説は多くの野球ファンに愛されていますが、特に、まるで居酒屋でしゃべっているようなざっくばらんなコメントを面白いと感じている人が多いです。今では「居酒屋解説」などとも呼ばれますが、その名解説はこの日をきっかけに生まれたと言われています。
足がピヨッと出ましたね。
福本豊の解説は、「ドーン」「ゴーン」「バッ」などの擬音が多いことで知られています。こちらもそのひとつです。
シュッ!カキーン!ビューン!
実況のアナウンサーに、「今のホームランの解説をお願いします」と言われたときに、福本豊が返した名言です。打った瞬間にホームランとわかるほど、勢いよく飛んだのだろうということだけは伝わってきます。
びゃっと来た球をびゃっと打ってびゃっと走ったらええんですわ。
こちらも擬音を使った名言ですが、できればどうやったらびゃっと打てるのか、びゃっと走れるのかを解説してもらえると助かりますね。
前の打席までは、あの外角の球をグチャグチャッとやっとったが、今の打席はスパッとさばけてましたわ。
福本豊の解説は、野球をあまり知らない人でも、野球を楽しく観られると評判です。擬音が多いのも、誰にでもわかりやすいように伝えるためとのこと。こちらの名言も、今の打席の良さがイメージできますね。
あっち向いてホイ投法やね。
大リーグでも活躍したピッチャー岡島秀樹は、ボールを投げる瞬間に地面を向くという独特のフォームで知られています。その様子は、福本豊によれば「あっち向いてホイ」だそうです。
着払いやね。
こちらは、ピッチャーの投球にタイミングが合わず、大きく振り遅れた広島の東出輝裕に対しての名言です。ボールがキャッチャーに届いてからバットを振ったことが伝わってきます。
ユニホームやね。
1990年代に日本のプロ野球で活躍した外国人選手トーマス・オマリーは、1995年に阪神からヤクルトに移籍しました。実況から、「オマリーはヤクルトに移って何が変わりましたか?」と聞かれたときの、福本豊の答えがこちらです。誰もが「それはわかってる」と言いたくなる迷解説ですね。
距離ちゃう?
打球がフェンスを超えるかどうかギリギリのところまで飛んだのを受けて、実況が「今のは何が足りなかったでしょうか?」と解説の福本豊に尋ねました。それに対する福本豊の答えがこちらです。もちろん実況は「タイミングが合わなかった」「角度が良くなかった」などの返答を求めていたのですが、またしても誰もが「それはわかってる」と思ったことでしょう。